人材紹介

介護職の人材紹介手数料とは?成功報酬に頼りすぎない採用導線の作り方

介護職採用で発生する人材紹介手数料の考え方と、成功報酬に依存しすぎない採用体制づくりを解説します。

2026.05.1610分で読めるKaigo Market編集部

介護職の人材紹介手数料とは?成功報酬に頼りすぎない採用導線の作り方

結論

介護職の採用で人材紹介会社を利用すると、採用が決まったタイミングで手数料が発生する成功報酬型の契約になることが多くあります。

この仕組みは、採用できるまで費用が発生しにくいという意味では、事業者にとって使いやすい面があります。特に、急な退職が出たとき、夜勤体制を維持したいとき、新規施設や新規事業所の立ち上げで人員を確保したいときには、人材紹介会社が有効な選択肢になることがあります。

しかし、成功報酬型だから安心というわけではありません。

採用が決まるたびに手数料が発生するため、継続的に利用すると採用費が大きくなりやすいからです。さらに、紹介会社経由で採用した人材が短期間で退職した場合、返金規定があったとしても、教育にかけた時間や現場の負担は残ります。

そのため、介護施設や介護事業所に必要なのは、人材紹介を使わないことではなく、人材紹介に頼りすぎない採用導線を持つことです。

具体的には、自社の採用サイト、公式ホームページ内の採用ページ、求人情報、職場写真、スタッフの声、FAQ、応募フォーム、応募管理を整え、自社で応募を受けられる状態を作ることです。

前提

介護業界の採用環境は、今後も厳しい状態が続くと考えられます。

厚生労働省の推計では、介護職員は2026年度に約240万人、2040年度には約272万人が必要とされています。2022年度時点の約215万人から大きく増やす必要があり、採用は一部の施設だけの課題ではなく、業界全体の構造的な課題です。

また、介護労働安定センターの令和6年度介護労働実態調査では、訪問介護員・介護職員の採用率は14.3%、離職率は12.4%とされています。離職率だけを見ると改善傾向がある一方で、採用そのものは簡単ではありません。

つまり、介護施設にとって採用は一度成功すれば終わりではなく、継続的に取り組むべき経営課題です。

このような環境では、人材紹介会社の利用が増えるのは自然なことです。採用担当者が限られている中小規模の介護事業所では、求人票作成、応募者対応、面接調整、候補者フォローまで十分に手が回らないこともあります。

その結果、候補者を紹介してくれる人材紹介会社に頼りたくなるのです。

ただし、紹介会社に頼るほど、自社で採用する力が育ちにくくなるという側面もあります。応募を集める仕組み、求職者に魅力を伝えるページ、応募後の対応フローを自社で持たないままでは、いつまでも外部サービスに依存しやすくなります。

実際の流れ

成功報酬型の人材紹介を利用する場合、一般的には次のような流れになります。

まず、介護施設が紹介会社に求人内容を伝えます。募集職種、雇用形態、給与、勤務時間、夜勤の有無、勤務地、必要資格、経験条件、求める人物像などを共有します。

次に、紹介会社が登録者の中から候補者を探し、施設に紹介します。施設側は書類確認や面接を行い、採用が決まれば入職に進みます。そして、採用が成立した段階で紹介手数料が発生します。

この流れ自体は合理的です。施設側は候補者探しの一部を外部に任せることができ、採用できた場合に費用を支払うため、成果に対する支払いとして理解しやすい仕組みです。

しかし、問題はこの流れが毎回繰り返されることです。

欠員が出るたびに紹介会社へ依頼し、採用が決まるたびに手数料を支払う。これが続くと、採用費は固定的な経営負担になります。

さらに、人材紹介会社の候補者は、複数の施設を比較していることが多くあります。そのとき、施設側に十分な情報発信がなければ、条件比較だけになりがちです。給与、勤務時間、通勤距離だけで比較されると、施設の理念、雰囲気、教育体制、職員の関係性は伝わりません。

だからこそ、紹介会社経由の候補者であっても、最終的には自社の採用ページが重要になります。

求職者が施設名を検索したとき、採用サイトに職場写真があり、スタッフの声があり、働き方が整理され、よくある質問があり、応募後の流れがわかる。これだけで、応募前や面接前の安心感は変わります。

よくある失敗

介護職採用でよくある失敗は、人材紹介会社に求人情報を渡しただけで、採用活動を任せきりにしてしまうことです。

紹介会社は候補者との接点を持っていますが、施設の魅力をすべて代わりに伝えられるわけではありません。特に介護現場の雰囲気、管理者の考え方、チームの関係性、利用者との関わり方、日々の業務の進め方は、施設側が自分たちの言葉で発信する必要があります。

もう一つの失敗は、求人票の条件だけを整えれば応募が来ると考えることです。

給与や勤務時間は大切です。しかし、介護職の求職者は、それだけで応募を決めるわけではありません。

人間関係はどうか。未経験でも教えてもらえるか。ブランクがあっても大丈夫か。夜勤の回数はどれくらいか。休みは取りやすいか。子育て中でも働けるか。資格取得支援はあるか。施設長や管理者はどんな人か。

こうした不安に答える情報がないと、応募の前で止まってしまいます。

さらに、採用ページが古いまま放置されているケースもあります。

募集終了した求人が掲載されている。給与条件が古い。写真が何年も前のもの。スマホで見づらい。応募フォームがない。問い合わせ先がわかりにくい。このような状態では、求職者から見て「本当に今も募集しているのか」と不安になります。

注意点

成功報酬型の人材紹介を使う場合は、必ず契約内容を確認しましょう。

手数料の計算方法、支払い時期、返金規定、早期退職時の対応、候補者情報の取り扱い、求人内容の表現、再紹介の条件などを確認する必要があります。

厚生労働省は、医療・介護・保育分野の職業紹介事業における手数料や離職状況に関する資料を公表しています。紹介会社を選ぶ際には、こうした情報も確認し、単に「紹介してくれるから」という理由だけで選ばないことが大切です。

ただし、手数料の低さだけで選ぶのも危険です。

安い紹介会社が必ず良いとは限りません。重要なのは、自社の職場理解があるか、候補者に正しく情報を伝えているか、無理なマッチングをしていないか、入職後の定着まで考えているかです。

そして、どの紹介会社を使う場合でも、自社側の情報発信は必要です。

採用ページが整っていれば、紹介会社の候補者にも施設の魅力を伝えやすくなります。面接前に採用ページを見てもらうことで、施設の雰囲気や働き方を理解したうえで面接に進んでもらえます。

これは、ミスマッチ防止にもつながります。

判断基準

成功報酬に頼りすぎているかどうかは、次のポイントで判断できます。

まず、年間採用数のうち、人材紹介経由の割合が高いかどうかです。次に、自社ホームページや採用サイトからの応募がほとんどないかどうかです。そして、求人媒体に掲載しているにもかかわらず、応募前に見られる自社ページが整っていないかどうかです。

もし、自社採用ページがない、または古いままであれば、まずそこを整えるべきです。

採用ページには、最低限以下の情報が必要です。

募集職種、雇用形態、給与、勤務時間、休日、福利厚生、仕事内容、必要資格、未経験者への教育体制、職場写真、スタッフの声、よくある質問、応募後の流れ、応募フォーム。

これらが整理されていれば、求人媒体や紹介会社から来た求職者にも、施設の魅力を伝えやすくなります。

また、採用ページは更新できることが重要です。

介護施設では、募集状況が変わります。常勤を募集する時期もあれば、パートを募集する時期もあります。夜勤専従、訪問介護員、生活相談員、ケアマネジャー、看護職など、必要な職種も変わります。

そのたびに制作会社へ依頼しなければ更新できない状態では、スピードが落ちます。採用競争では、情報更新の速さも重要です。

まとめ

介護職の人材紹介手数料は、採用できたときに発生する成功報酬型が多く、短期的な人材確保には役立ちます。

しかし、成功報酬に頼り続けると、採用のたびに費用が発生し、長期的には大きな負担になります。

大切なのは、人材紹介会社を否定することではありません。必要な場面では活用しながらも、自社で応募を受けられる採用導線を整えることです。

公式ホームページや採用サイトに、求人情報、写真、職員の声、FAQ、応募フォームを整備することで、紹介会社経由の候補者にも、自社の魅力を伝えやすくなります。

採用費を下げるには、安い紹介会社を探すだけでは不十分です。

自社で採用情報を発信し、応募を受け、候補者に選ばれる状態を作ることが必要です。

次にやるべきこと

まず、自社の採用ページを見直してください。

求人票だけになっていないか。職場の雰囲気が伝わる写真はあるか。スタッフの声はあるか。応募前の不安に答えるFAQはあるか。スマホで見やすいか。応募フォームはわかりやすいか。募集職種は最新か。

これらを整えることで、人材紹介会社を使う場合でも、採用の質を高めやすくなります。

Kaigo Marketは、介護施設の採用サイト、求人ページ、写真、FAQ、応募フォーム、応募管理をまとめて運用できるようにするサービスです。

成功報酬に頼りすぎない採用体制を作りたい介護事業所にとって、自社採用導線を整えることは、今後ますます重要になります。

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